人事・人材育成に関するブログ

企業で働く人事パーソンが人事・人材育成について書いていきます。

1ヶ月の男性育休体験談とその効果

 

 小泉進次郎環境相が育休を取得し、話題になりましたね。そして、昨年11月、安倍首相が男性国家公務員の1ヶ月以上の育児休業の取得を促す制度の検討を開始すると表明されました。

 何かと話題になる男性育休ですが、実際に1ヶ月育休を取得するとはどんな経験ができるのか、どのような効果があるのかを、2019年に育休を1ヶ月取得した私が、体験談として書いてみる事にしました。

 

<育休取得時期と会社の反応>

 私の家庭は初産で双子を授かったので、育児が大変になる事は最初から想定しておりました。ですので、早めからその時に勤めていた会社に育休取得について相談していました。特に反対される事もなく、どの時期に取得すべきなのか、取得中の業務引継をどうすべき等かについて相談にのって頂けました。

 実際の育休取得は産後1ヶ月経過後にしました。産後1ヶ月は妻に実家で過ごしてもらい、私は週末に会いに通うような日々でした。その後、我が家に妻と子供たちが帰ってくるタイミングで、今後の生活の基盤を作る為に1ヶ月の育休を取得しました。育休を取得させてくれ、その間の仕事を担当して下さった当時の上司や職場の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

<育休取得開始期>

 育休取得初期の頃、まずは妻の苦労を理解しようと思い、妻には一日外出して良いよ、と言って、美容院に行ってもらいました。この頃は本当に赤ちゃんの一挙手一投足が気になるもので、その日もずーっと赤ちゃんと付きっきりで過ごしました。慣れないミルクづくり、ミルクやり、抱っこ、おむつ替え、沐浴、絵本の読み聞かせ等を行いました。本当にヘトヘトになり、妻の帰宅にほっと安堵したのを覚えています。仕事より育児の方が大変だと確信した日でした。

 

<育休取得の目的・実施した事>

 私の育休取得の目的は、私が育休から仕事に復帰しても、妻・双子含めて無理なく生活が続けられる環境を整備する事でした。ですので、以下の3点を意識しました。

 

①赤ちゃんとの信頼関係構築

育休取得後も育児の戦力になりたいと考えていたので、赤ちゃんとの関係性構築は強く意識していました。例えば、ちょっと泣いたらすぐ駆けつけて声をかけて抱っこする、ミルクやり・おむつ交換等を率先して実施する等して、赤ちゃんとの関係性を積み重ねていきました。育休取得開始時期は赤ちゃんも少し慣れない様子でしたが、育休終了時は強い信頼関係を築けたと言える程になりました。

 

②育児の習得、家事の習熟

 この時期に実施する育児は一通り全て実施・習得する事で、妻でないとできない事を一つずつ減らしていきました。もちろん最初はぎこちなかったですが、妻に色々アドバイスをもらう中で習得していきました。また苦手ではありますが、家事も率先して実施し、夫婦二人分の簡単な料理等は手早く作るようになりました。

 

③育児・家事の効率化

できる限りの育児・家事を行いながら、育休明けに仕事に復帰できるように、妻と一緒に家事・育児の効率化を徹底的に行いました。例えば、育児や家事の時短グッズの導入、平日夕食は生協の宅配弁当に切り替えたりして、調理・炊事・食材購入の時間を短縮しました。

その他細々した事全ては書ききれませんが、動作レベルで時短になるように沢山工夫を凝らしました。

 

 ちなみにですが、育児の時短で一番効果的だと感じているものは以下の商品です。

 「ママ代行ミルク屋さん」

  http://www.scjgold.com/mamadaikou.html ※アマゾン等のECサイトでも購入可

この商品は、少しお値段は張るのですが、絶大な効果を発揮します。この商品は、哺乳瓶を装着して、赤ちゃんを抱っこせずにミルクをあげられる商品でして、育児で大変なシチュエーションである「ミルクをあげる⇒寝かしつけの為に抱っこ⇒赤ちゃんがやっと寝てくれる⇒赤ちゃんを置く⇒赤ちゃんが置かれた事に気づいて泣く⇒抱っこする⇒・・・」の無限ループを回避する事ができます。赤ちゃんは満腹感がある時に眠りにつきやすいので、布団の中でミルク屋さんでミルクをあげるようにすれば、夜や昼寝して欲しい時にすんなり寝てくれる事が多いです。

 少し話はそれますが、完全母乳で育てられる家庭も多いかと思います。完全母乳であれば、ミルクを準備したり哺乳瓶を洗う手間が省けるのですが、母乳をあげる時に必ず母親が対応しないといけませんし、父親との関係性が薄れてしまいどうしても母親の負担が大きくなってしまいます。その為、私は、ミルクも混合で育てて、上記の様なグッズも活用しながら父親も積極的に参画する事が良いのでは、と考えています。

 

<男性育休の効果>

 私の育休終了時、妻からこれなら仕事復帰後もやっていけそうと言ってもらい、感謝の言葉を頂きました。育休を取得して本当に良かったと感じています。

 そして、私が育休から復帰して既に1年近くが経過しましたが、今でも平日・休日問わず、子供をお風呂に入れたり、ミルク、おむつ、夜泣き対応等、特に戸惑う事なく実施できています。子供たちも慕ってくれていますし、まだほとんど話せないのですが、「パパ、パパ」と呼んでくれる事もあり、その度に喜んでいます。

 職場復帰後も、より幅広い視点で、育児や介護等様々な状況の方々がいる事を念頭に置きながら、業務にあたる事ができるようになりました。

 

<まとめ>

 それぞれの家庭や務める企業や組織の状況により、簡単に育休を取得できるとは思いませんが、男性育休は本当におススメです。2週間~1ヶ月程度でも、今後の生活基盤を築く上で効果があるのではないでしょうか。

 職場環境において、現実的には育休を取得されると困るという状況もあるかと思います。しかし、これから大介護時代が到来すると言われる中、何かしらの制限を抱えながら働き続ける方が増えていくと想定されます。今後は、仕事を休まざるを得ない状況の方々の仕事を、残ったメンバーでサポートし合うワークシェアリングの考え方や、例えば休暇中に在宅で少しだけ仕事をするリモートワーク等、様々な仕組みや制度、風土ができていき、育休や介護で休む方がでてもうまく企業運営ができるようになれば、と思います。そして、働きたい人が働き続け、それぞれの発揮したい価値を発揮し続け、充実感や満足感が得られるような社会が実現できれば、と考えています。

 

                                  以上