世界の人材育成 ~微笑みの国 タイ~ と学び直しの必要性
私は、日本企業の人事・人材育成の部門で約5年間勤務していて、グローバル人事や人材育成を中心とした業務を行ってきました。そのような中で、私は世界の人材育成(ビジネスパーソンの成長について)に興味があります。
インタビューに協力してもらったのは、私が留学していたUCバークレーエクステンションで出会ったタイ人のNさんで、私の親友の一人です。彼は起業家であり、バンコクにあるデザインやパッケージを製作する企業、「Build A Box」を経営しています。彼は私とほぼ同じ年齢ですが、すでに8人の従業員を雇用する企業の社長であり、私は彼を本当に尊敬しています。
インタビューの時間に、私は以下の質問をNさんに尋ねました。
(飽くまでインタビューでの一意見であり、一般化する事はできません)
1.タイの国民性について教えてください。
仕事よりも生活の快適さを重視する人が多いです。
2.タイの優秀なビジネスパーソンの特徴を教えてください。
優秀なビジネスパーソンの機能は世界中で共通だと思います。
ポジティブシンキング、オープンマインド、高学歴、人脈を持っている事(know who) 等
3.タイではビジネスパーソンはどのように学びますか?
大学でのエグゼクティブコース(例:マーケティングの修士号)や銀行が主催するファイナンスのコースで学びます。
<ビジネススクールの例>
・Sripatum Universityによるデジタルネットワークアドバンテージ
・Sripatum Universityによるビジネス創造アカデミーhttp://www.abcbyspu.com/
・ビジネスインキュベーションスクール(BIS)http://www.schoolbis.com/
・KバンクによるK-SME
・SCBによるYEP https://scbsme.scb.co.th/yep-about/
4.企業はどのような教育プログラムを提供していますか?
通常、会社は教育プログラムを提供していません。しかし、大企業の場合、
上記のエグゼクティブプログラム等を社員教育として通学の支援をする事も
あります。私のBUILD A BOXでは、社員の外部セミナー受講の支援をしています。
5.特に、新入社員にどのような教育プログラムを提供していますか?
通常はあまり新人向けの教育プログラムを提供していません。会社の基本情報等
の講義や働く上で必要なトレーニングは提供します。
6.あなたの国の教育または学習のトレンドを教えてください。
デジタルマーケティング(Facebookマーケティング、オンラインアプリケーションなど)
これらのQ&Aから、タイの企業としては教育プログラムを多く提供している訳ではないことがわかりました。(あくまで一例ですし、大企業や日系企業は状況が違う可能性があります。)しかし、タイのビジネスパーソンは業務以外の学びの場として、エグゼクティブスクールやファイナンススクールに通っているいるようです。日本では、社会人になってから業務外で学ぶ事が多くありませんが、こういった他の国の取り組みから学ぶ事ができるかもしれません。
この記事によると、日本の社会人になってから大学院等の高等教育機関に入って「学び直す」割合は2.5%とOECD加盟国の中でもほぼ最下位、かつ平均の16.6%を大きく下回ります。
https://www.sankei.com/life/news/180828/lif1808280005-n1.html
大学院が全てではないですが、今後国際的な競争に負けない為にも、社会人になってからの学びについて、考える重要性が増してきているようです。
以上